CAST
[美山 徹]白井悠介さん
[陽川泉輝]斉藤壮馬さん
(以下敬称略)
▲ 左:白井悠介さん、右:斉藤壮馬さん
――収録を終えてのご感想をお願いします。
美山 徹役 白井悠介)
今回は久し振りに壮馬と二人での掛け合いだった訳ですが、最初にお話を頂いた時に「白井さん受です」と聞き「本当に?」と驚きました。でも原作を読ませて頂いて「なるほど、確かに僕が徹くんで、壮馬が泉輝。めっちゃしっくりくるやん!」と思いました。泉輝には実はドSで隠れた性癖があるんですけど、僕、個人的にはMなので、泉輝によって徹くんがどんどんMに目覚めていく気持ちに共感しつつ楽しく演じさせて頂きました。
陽川泉輝役 斉藤壮馬)
僕も白井くんと同じで二人で組むにあたって「僕が攻?」と最初びっくりしたんです。けど原作を読ませて頂くとすごくしっくりきました。二人のキャラクター性もですが、丁寧で優しくしっかりとした眼差しで物語が作られていて、SとかMとかだけではなく「その人のことを本当に見るとはどういうことなのか?」が描かれている物語だと感じました。個人的に「好きだなこの作品」と思って読ませて頂いたので、収録もその雰囲気のままできて良かったです。自分としても新しい挑戦だったのですごく楽しかったですし、お互いの関わり合いの中で育まれる二人だけのものを感じながら収録できたので、気持ちの良い、楽しい収録でした。
▲ 白井悠介さん(手前)
――ご自身が演じられたキャラクターの感想をお願いします。
白井)
徹くんの「心を読めてしまうという能力」は本当に羨ましいですよね。そのうえで、能力ゆえの悩み…心が読めるからといってその人の全てがわかるわけじゃないっていうのは、確かにその通りで、徹くんにはいろいろ共感できる部分がたくさんありますね。好きな人に対してその人の期待に応えたいと思える気持ちが本当に素敵で、純粋な子なんだと思います。
斉藤)
泉輝はすごく誠実な人だと思いました。自分のパーソナリティも理解していて、かといって自分を押し通すのでもなく、投げやりになるでもなく、自分の中である種の覚悟を持っていて。会話の特徴として、この作品って二人が終盤まで敬語でしゃべり合うのがすごく素敵だと思います。それは美山くんの人の良さでもあるし、泉輝の誠実な部分の現れでもあって、心地いいなと思いました。いわゆる支配、被支配という言葉からそのままイメージされるものとは違う価値観を持っていているのに僕は共感して、泉輝は嘘のない人だなと思いました。そんな泉輝だからこそ、心が読める美山くんとも最終的にうまくいくったんじゃないかと思います。すごく好きな人ですね。
――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。
白井)
壮馬も言っていましたけど、泉輝は本当に誠実で、内面ですごいことを考えているのを全然表に出さないすごくいい子ですよね。頭の中のどエロいことを考えているところのギャップがこの作品全体の聴き所なんじゃないかと思います。また泉輝の心の中を読み取った徹くんがどうするのか、どう応えていくのかということは、1つの大きなテーマになっているので、やっぱりそこですかね。
斉藤)
泉輝的には、野田にめちゃくちゃキレる泉輝のシーンですかね。二人との間でだけで成立する関係性から離れた時に、泉輝が本当に徹を大事に思っているからこそ怒るのに愛を感じてグッときました。コミカルなシーンもたくさん面白いところがあって、ポッキーゲームのところで、泉輝に心の声で「そのチョーカーは主人がいるって証だから」と言われて、徹がギャグ顔で涙流しながら「そんなこと言われましてもぉ〜」という所がワンコっぽくて可愛いかったですね。随所を存分に堪能して頂きたいです。
――美山のように、目があった人の「心が読める力」があったら、能力を何に使ってみたいですか?
白井)
人によってはそんな能力絶対に要らないよという人もいると思いますが、僕は全然人のことに興味がないからこそ、この能力を手に入れたいって思いました。ちょっとしたイタズラを仕掛けて、心ではどんなリアクションするか知りたいですね。「人の内面」=「本心」とは限らないですけど、内に思っていることが感じ取れると、僕、普段あまり人と会話しないんですけど、会話を楽しめそうな気がしますね。人に興味なさ過ぎて困っているくらい興味がないので、心が読めたらちょっとは人に興味が沸くんじゃないかなって思って。この力ぜひ欲しいです!
斉藤)
まず言っておきたいのは、そういうこと言っている白井くんに、僕はすごく興味津々です。一時期「趣味・白井悠介」でしたから。嘘つかないとこが白井くんの素敵なところですよね。俺は世の中を疑って、あれこれ考えちゃうけど、白井くんはいつもフラットなのが羨ましい。そんな白井くんの「人の心読める能力があったら、逆に人に興味持てるかも」という回答に今すごく興味を持っています。なぜかというと、僕は絶対にこの能力欲しくないから。表に出さない内心を飛び越えて知っちゃったら、逆に僕が態度に出ちゃう。「うわっ、めちゃくちゃキレてる」とか知って、急に謝り始めちゃいそうで怖いです。人ってよくわからないからこそ、もうちょっと知りたいと思うタイプなので、この能力があったら俺はマジで家から出ないですね。でも自分で心を読む・読まないをコントロールできるのだったらマジで欲しいです、それは本当に! 収録中、ディレクターさんの目、めっちゃ見ちゃう(笑)
▲ 斉藤壮馬さん(手前)
――泉輝は、男女から人気もあり誰にでも優しく完璧な人物像ですが、実はディープな性癖の持ち主。ご自身の「実は●●なんです」を教えてください。
白井)
実はこう見えていつでも冷静です。ステージ上や番組でのスイッチが入った状態の僕を見て、普段からこんなにはっちゃけている人と思われがちですが、楽屋とかアフレコ現場ではすごく静かです。アクシデントが起こっても僕は冷静なタイプで昔、ハンバーガー店でバイトしていた時に一緒に働いていた従業員さんがいきなり倒れて口から泡吹いた時、みんな「大丈夫か? 大丈夫か?」と慌てている状況の中、僕は一人冷静にハンバーガーを作り続けていました。倒れた人は社員さんが見ているから、じゃあ僕は僕で出来ることをやろうって。実は空気読めないようで空気読めるんですよ。
斉藤)
実はズボラです。ちゃんとしてそうとか細かそうとか、家でリモコンを大きさの順に並べてそうとか、結構言われますが、全然違います。例えばイベントで何人かで楽屋が一緒になったりすると、自分のスペースに物がめちゃめちゃあるタイプです。今日も収録の最初にカバンからあれもこれもっていっぱい出していましたし、ミニマリズムの逆にいますね。家にも本だの何だの物がいっぱいで全くちゃんとしてないです。それでいて神経質な部分もあるので、面倒くさい人だと思いますね。昔は「自分はこうあるべきだ」「こうあらねばならない」とあったものが、年々その適当さを受け入れられるようになってきました。究極、「死にはしないよ」みたいな。今、目の前のことに集中するという視点も大事だけど、宇宙の歴史で考えると小さいことだと広い視点で考えられるようになってきたのかな。結構ズボラで適当です。
――最後にドラマCDの発売を楽しみにしてくださっているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
白井)
原作を最初に読ませて頂いた時にめちゃくちゃ可愛い感じのタッチの絵だなと思いました。それと一緒に「心の声」と「表の声」と「妄想」といろんな声がある作品で、それがこの1枚で聴けるCDになっていると思います。ただの「受」「攻」じゃない二人の関係性や、やり取りが、すごく心地良くスーッと入ってくる作品だと思いますので、ぜひ音声で聴いて頂いて音声ならではの表現の良さもあるので、原作を見ながらでもいいですし、CDとコミックスを合わせて楽しんで頂けると嬉しいです。ドラマCDと同時にコミックス2巻が発売されるということで、二人の続きもあるということで我々も楽しみにしながら、ぜひまた演じられたらいいなと思っておりますので、ぜひ皆さんよろしくお願い致します。
斉藤)
素敵な作品の音声化に声優として関わらせて頂けて嬉しく思います。これだけ丁寧に誠実に作られている作品を原作の良さを活かしつつ、それらを音声のみで表現するという難しさや面白さ、挑戦もやはりあると感じています。今回に関していうと「心の声」や「妄想」などいろんな種類の音声があるので、原作と合わせて楽しんで頂きつつ、ドラマCDにはドラマCDの良さが表現できている内容になっていると思っています。斉藤壮馬個人としては、泉輝のことを好きになったし、もっと彼として徹と関わっていきたいので、コミックスも2巻が出ることで今後物語がどうなっていくのか楽しみにしつつ、皆さまのお力を頂けたらきっとドラマCDの続編もできると信じております。もしその際にはまた一緒に「歌舞伎町バッドトリップ」の世界を楽しめたら嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。
――ありがとうございました。「歌舞伎町バッドトリップ」のドラマCD&コミックス2巻は、2022年1月8日発売です。どうぞお楽しみに!
▲ 左:白井悠介さん、右:斉藤壮馬さん