歌舞伎町バッドトリップ２

――原作コミックス２巻を読んだ感想を教えてください。また収録にあたり、心がけたことなどありますか？

美山 徹役　白井悠介）

1巻を収録した後、「このあと二人どうなるのかな？　芸能人だから、バレたり、みたいなことがあったりして…」と話していたのですが、2巻でピンチが訪れて「やっぱり来たか！　このピンチをどう乗りきるのかな」とワクワクしながら読ませていただきました。徹の不安を泉輝がグワッと引き留めた歌舞伎町でのシーンがすごく印象的で演じるのも楽しみでした。

陽川泉輝役　斉藤壮馬）

白井くんと同様、この先二人はどうなるんだろうと思っていたので、危惧していたことに直面し紆余曲折ありましたが、二人の納得する形に収まってよかったです。泉輝さんに関しては、１巻の時のミステリアスでセクシー、かつ妖艶な部分もありつつ、より徹さんとの距離が近くなって、かわいい表情やコメディタッチな表情もみせてくれるようになったので、2巻を演じるにあたり、いろんな表情や感情を掛け合いたいと思って収録に臨みました。

――収録を終えてのご感想をお願いします。お気に入りのシーンや聴き所もありましたら教えてください。

白井）

徹と泉輝のシーンだと先程あげた歌舞伎町でのシーンが凄く好きですね。あとは個人的にはホスト仲間のリオとじゅんと徹とのやり取りがとてもいい関係性だと思いながら演じさせて頂きました。徹は二人と会話をしている時、心は読まないですよね。二人の心を読むまでもないのかなって。心の内からストレートな言葉が出てきている間柄だと思うとすごく微笑ましいですよね。ちょっと羨ましくなっちゃいました。三人のバランスもちょうどいい感じだし、男同士の友情もひとつ聴き所かなと思います。

斉藤）

徹さんと泉輝のシーンでいうと、僕も白井君と一緒で歌舞伎町のシーンが好きで、原作を読んだ時もすごくコマが素敵ですし、プレイでは泉輝さんが徹さんに命令をするという営みでしたが、最後の最後に泉輝が「これは命令じゃない、お願いだから」って言う、あそこにこの２巻のドラマが凝縮されていると感じたので実際に演じていてもすごく印象的でした。
あとは、男同士のみならずいろんな友達関係がいいなと思います。泉輝だったら楓さんとの関係ですね。実際僕も楓さんみたいな人はすごく好きで、一緒に食事をしたり飲んだらラクだし楽しいだろうなと思います。泉輝が１巻ではあまり見せていなかったラフな感じが楓さんの存在でより引き出されたように感じます。いろんな仲間のありがたさが描かれていていいですよね。楓さんとはいっしょには録れなかったので、完成した掛け合いを聴くのがすごく楽しみです。

――徹はホストを辞めて現在求職活動中。泉輝はドラマ出演のオファーが来て新しいことに挑戦しようとしています。最近「やめたこと」もしくは「はじめたこと」はありますか？

白井）

僕は「間食」をやめました。ダイエットを始めて数ヵ月ですが、間食をやめて糖質を抜いただけでも意外と痩せました。ダイエット始める前が人生で一番重かったので、ダイエットした後、痩せるとやっぱり体が物理的に軽くて、すごく心地いいですね。間食もなんで昔あんなにしてたのかな…習慣だったのかな？　夜中にポテチ食べまくってたり…。それを控えるだけで目に見えて痩せられたので、今後も続けて行きたいと思います！

斉藤）

この収録の時期、僕はものすごく重い花粉症でとても辛くて、数年前から鼻うがいをやっています。昔アレルギー検査をしたとき、スギとヒノキがバチバチに出たんですが、厳密な検査はしたことがないので、はじめたいことはアレルギー検査をしっかりとしてみたい。やっぱり三十代になって、十代、二十代の頃とはどうしたって良くも悪くもいろんな変化があるので、今の状態を知りたいです。せっかくなら「人間ドック」をしてみたい。「健康」を始めたいですね。

白井）

人間ドックは僕も一回ちゃんとやりたい！　ちなみに健康診断とかやってる？

斉藤）

最後にしたのは６年前かな。その時、視力とかもすごく変わっていたし、一回まず現状を把握したいよね。

白井）

僕も全然してないなぁ。YouTubeチャンネルで「人間ドックいってきた」をやってみたいかな(笑)。

――徹と泉輝は恋人になり、ふたりのプレイもレベルアップしていますが、ご自身でレベルアップしたと感じたことはありますか？

白井）

声優としての経験を積んで、作品を見てくださっている方から言われるのは「歌」ですかね。元々歌うこと自体は好きなんですが、得意ではなかったんです。上手くもないし、自分の歌声もあまり好きではなかったんです。でも最近は自分でも何となくちょっとはわかってきた部分もあるかなと。歌でもお芝居でもベースの感情を乗る部分はありますけど、そこでなくスキル的な事なのか、エゴサしているとちょいちょい「安定するようになったね」みたいなのを見るようになって「えーそうなの、うれしい！」って思ってます(笑)。自分で言うのはおこがましいですが、これだけ長く続けているからこそ徐々にましになってきているのかなと。

斉藤）

僕もやっぱり仕事のレベルはあげたくて、挑戦したいことはたくさんあるんですけど、「歌」でいうと、昔ビブラートができなくて、今のビブラートも「嘘ビブラート」ですが、表現として一応ビブラートが可能になりました。この曲のここはビブラート効かせたほうが、歌っているキャラクターの気持ちを表現できると思っても、昔はその選択肢を持っていないから選べなかったのが、今は選択できるようになった。本当はこうしたいのにできないっていうのは自分も苦しいし、キャラクターに対しても申し訳ないので、少しずつ引き出しを増やしていきたいですね。
あとは雑誌で2000字ほどのエッセイを５、６年連載させていただいているんですが、今日収録前にちょうどその原稿を書き終わって、今回2時間くらいで書けたんですよ！　昔より書くのが断然速くなりました。昔は最初の導入を書くといったん筆が止まっちゃって「あっ、どうしよう」と行き詰ってしまうことが多かったんですが、だんだんひと息に書ける長さが伸びてきました。継続は本当に力なりだなって感じますね。日々一歩ずつ積み重ねて行こうと思います。

――2000字を2時間で書けちゃうなんてすごい！　編集者も嬉しいですね。

斉藤）

締め切りやぶったことないですね。今日、締め切りまで一週間以上前ですもん。

――すごいです…！　〆切の前倒しなんて、理想の作家さんです。

斉藤）

出版社の方に言われると、重みあります(笑)。

――たくさんの続編希望のお声をいただき、今回ドラマＣＤ２巻が発売となりました！　発売を楽しみにしていてくださっているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

斉藤）

自分もすごく心に残っている作品だったので、皆様のお声をいただけて、声優としても続編に関わらせていただけるというのをすごく幸せに思っております。 前巻も自分にとってはさまざまな新しい挑戦があった作品だったんですけれども、今回もさらにその先を感じさせてくれるシナリオやキャラクターだったので、声優として非常に刺激的な収録でした。実際音声になってみて様々な音の表現にもこだわりがある作品だと思いますので、ぜひ原作と照らし合わせてドラマＣＤも繰り返し楽しんでいただけますと幸いです。よろしくお願いします。

白井）

皆さんの応援のおかげでこんなに早くドラマＣＤ２巻を収録・発売させていただくことになりました。今回、二人にピンチが訪れますが、もうこの二人だったら今後何があっても大丈夫なんじゃないかなと思います。徹は人の心が読めるという特殊能力がありますが、もし心の声が聞こえなくなったとしても、今の泉輝となら何の問題もなく通じ合えるようになっているんじゃないかなと思えるぐらい、僕も幸せな気持ちで収録を終えることができました。 これだけ人気の作品ですから、きっとこの先もあることでしょう。あることを望んでまた収録できる日を待ちわびたいと思います。皆様まずはこの２巻を、ドラマＣＤならではの楽しみ方、聴きごたえがあると思いますので、ぜひ音声で、そして原作もあわせて何度でも楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします。

――白井さん＆斉藤さん、インタビューありがとうございました！
ドラマＣＤ「歌舞伎町バッドトリップ２」初回限定 描き下ろしマンガ小冊子セットは、2022年10月28日(金)発売です。どうぞお楽しみに！