マスク男子は恋したくないのに

――収録を終えてのご感想をお願いいたします。

佐山役 小林裕介）

リアルにマスクを着脱しながらの収録で始めこそ苦労しましたが、次第にマスクだからこその籠った音や衣擦れの音を意図的にマイクに乗せようと、職人みたいな気分で臨んでました。江口くんとの掛け合いも都度つけてくれる距離感の変化を楽しみながら収録できました。

才川役 江口拓也）

楽しかったです！　裕介と掛け合いでの収録ということで、めちゃくちゃ楽しみにしていたので、それも相まって良い雰囲気で収録できたと思います。裕介がマスクを装着しながらの収録だったので、モノローグの時は外して、また戻してと大変そうでした（笑）。でも、その甲斐あってとてもこだわりの強い作品に仕上がったのでは？と思います！

――ご自身が演じられたキャラクターのご感想をお願いいたします。

小林）佐山はコンプレックスによりマスクで口元も言葉にも蓋をしました。そこから人間関係も希薄になり、結果、周りに対して悪態をつくネガティブな子になってしまいます。でもそれは弱い自分を守るための防衛手段だと思うんです。僕も自分にコンプレックスや劣等感を感じていたのでこの行動原理には共感する点が多かったです。自分にとっては苦い過去ですが、こうやってお芝居に反映できて少し報われた気分です。

江口）誰とでもそつなく仲良くなれるし、基本的には人気者で良いやつ風なのですが、目が笑ってなくて実は何考えてるかわからないというキャラクターで、、、（笑）。なんかめちゃくちゃ演じやすかったです（笑）。誰とでも仲良くできる人にとっての特別ができるまでの流れはとても素敵だと思うので、楽しんでいただけたらなと。

――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。

小林）マスクの下から手を口に入れられた際にえずくシーンがあるのですが、リアルさを求められて何度かリテイクをしました。最終的には拍手が起きて……えずいて拍手されたのは初めてです(笑)

江口）裕介のマスクへのこだわりです！（笑）　台本にも細かくここマスクあり！なし！と書いてたくらいなので！　特に演技中にマスク有り無しで外しながらの喋りは圧巻でした！　お見事！

――佐山は自身を守るためにマスクが手放せない「マスク男子」でしたが、ご自身を「〇〇男子」とするなら何男子ですか？ またその理由も教えてください。

小林）無趣味男子。色んなところで言ってますがなかなか趣味ができなくて……一瞬ハマることはあってもすぐに飽きてしまうんです。なのでもう無趣味を貫いていこうかなぁと開き直ってます（笑）

江口）酒男子っすね。酒がないと世界が回りません！　お酒が入ると誰とでも気楽に話せるんですが、シラフだと人見知りで（笑）。酒があれば最強！　酒がなければ最弱！　酔拳みたいですね（笑）。

――最後にドラマＣＤの発売を楽しみに待っているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

小林）コンプレックスはデリケートな問題ではありますが、本人が少しだけ視野を広く持とうとすれば受け止め方も変わってきます。そのきっかけはきっと才川みたいな誰かの支えなんでしょうね。受け入れてくれる人がいれば人はこんなにも変われる、そんな前向きになれるパワーが詰まった作品になっています。是非楽しんでください。

江口）今回、マスクへの並々ならぬこだわりで、収録時間ギリギリまで使って作品を仕上げました（笑）。そのぶん聴き応えのあるドラマCDになったのではないかと思います！　是非楽しんでください！　続編でまた声をあてられますように！