フェロモホリック

――収録を終えてのご感想をお願いします。

兎和役　斉藤壮馬）

原作2巻分をドラマCD2枚組にするとのことで、非常に満足度が高い内容になったと思います。兎和くんの目まぐるしく変わる表情や色んな感情を彼と一緒に感じることが出来て非常に楽しい収録でした。

一世役　江口拓也）

DISC1、DISC2に原作2巻分という大ボリュームだったので、非常に濃厚な収録でした。相手役の壮馬がずっと頑張っていたので（笑）、壮馬のエネルギーにも支えられながら楽しく収録出来ました。

流兎役　西山宏太朗）

凄く楽しかったです。心が動いていく様子がとても繊細に描かれていて、心を掴まれました。演じることが出来て本当に良かったです。

光役　阿座上洋平）

原作の世界設定がよく練られていて面白かったです。家柄や一族のしがらみに葛藤するリアルな部分に共感できるところもありましたし、現実の世界とは違うファンタジーな設定の中にある人間らしい部分も楽しく演じることが出来ました。

――ご自身が演じられたキャラクターのご感想を教えてください。

斉藤）兎和くんは冒頭と終盤でかなり印象が変わるキャラクターです。最初はかっこよくクールでいたい！というところからスタートしますが、一世という圧倒的な獅子族に出会ってしまったことにより、兎和くんの可愛い部分がどんどん引き出されていきました。最初のツンケンしてる感じも「凄くその気持ちわかるなぁ～」と共感しましたし、否応無しに一世によって引き出されてしまう自分の本能的ないじらしさも「確かにこんな人に出会ってしまったらそうなってしまうよな」と感じました。ドラマCDを聴いて下さる方、原作を読んで下さる方にも共感性の高いキャラクターじゃないかな。一世の為を思って身を引こうとする自己犠牲的な部分もあって、等身大の1人の人間として魅力的な人だなと思いました。

江口）一世は逆に新鮮なぐらいずっと真っ直ぐで良い男だなっていう印象です。心配するところはしっかり心配するし、意外と弱点無さそうだけど、唯一の弱点は兎和なんだろうなって。本当に「世界の中心は兎和！」ぐらい想っているんだなって感じましたし、演じていて凄く気持ちの良いキャラでした。

西山）流兎くんは本当に弟（兎和）思いの良いお兄ちゃんで、弟の為なら何でもしてあげる優しいところが凄く好きです。僕も流兎くんが作った料理を食べたいですし、朝も起こして貰いたいです（笑）。そういう面倒見の良さが魅力的な流兎くんですが、視野の広さもあるせいか、弟の事も一族の事も考えてしまい、板挟みになってしまう大変な立場でしたよね。そんな流兎くんも物語の中で成長していたので、この先どうなるのか楽しみです。

阿座上）光はこれが本当の当て馬か……という感じですよね。本当に「馬」ですからね（笑）。光が後半のシーンで心苦しいところがありましたが、流兎との関係をもっと見たい、深掘りしたい魅力的なキャラクターだと思いました。

――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。

斉藤）光に襲われかけた時に一世が助けに来てくれるところ。全員思っているんじゃないかな（笑）。「一世が来るぞ…！ 来るぞっ！ 頼む！」って思いながら読んだり聴いたりしていると思うんですよ。そこでしっかり一世が来てくれたっていうのも、兎和くんの気持ちからしたらグッとくるよなと思うし、収録していても凄くグッと来ました。あと僕ら光も結構好きなので。

江口）いいよね。かっこいいよね。

斉藤）原作で巧みな表現をされていて、最初の登場シーンで本当はお兄ちゃん（流兎）が好きなんだなってわかるわけじゃないですか!? でも、敢えて一世と兎和がくっつく為の起爆剤の役割を演じてくれていたシーンが人間的な魅力が盛りだくさんなシーンだったので好きでした。

江口）自分の中で妙にずっと残っているシーンがあるんですよ。

斉藤）どこですか？

江口）兎和が唸るところ。

斉藤）そこ!?（笑）。

江口）横で聴いてて、「なんだ可愛いなお前！」って結構、素のツッコミ出ちゃって（笑）。一世の台詞「なんだ」ってところに普通に素の「可愛いな！」の感情も乗っちゃって、自分の中では妙にお気に入りになってるところでした。良い唸り方だったなぁ～。

西山）光が兎和を襲っているシーンを聴いて、流兎が光に惚れちゃうのもわかるなぁ～と思いました。流兎の周りにはいないタイプだし、今後の２人の展開も含めた上で、凄く良い刺激になるんだろうなと思いました。

阿座上）僕も同じく光が兎和を襲っているシーンですね。光の感情がシンプルに兎和を襲いたいだけじゃないんだろうなっていう気がしたので、敢えて答えを出さないように演じました。個人的に聴きたい所は、尻尾が出るシーンとかが音や演技でどのように表現されるのか気になります。

――兎和・流兎は『ウサギ』と『クマノミ』の草食キメラ、一世は『ライオン』の肉食キメラ、光は『馬』の草食キメラですが、もし自分がキメラだとしたら、草食・肉食どちらで、どんな動物のキメラだと思いますか？ 理由も合わせて教えてください。

斉藤）やっぱり草食だなと思いま…、

江口）いやいや、完全に肉食だろ。

斉藤）（笑）。

江口）壮馬はどちらかと言うと、プライベートでは正反対です。ちゃんと意志が強くて意見がしっかりしてるから絶対、壮馬は肉食で、僕は草食なんですよ。

斉藤）拓也さんは僕が「これが食べたいです！」とか「ここに行きたいです！」とか言っても基本100％受け止めて下さるんです。拓也さんは、なんか草食っていうか…『木』かな。

江口）（笑）。

斉藤）木のキメラ。

江口）完全になんかあれだよね？ 悟り開いちゃってるよね？？

斉藤）ユグドラシルの木のような世界樹系で。

江口）（笑）。

斉藤）それぐらい、拓也さんが居てくれると「あ、大丈夫だな」って思わせてくれるような人なので、やっぱり大木のような安心感があるなって凄く思います。

江口）なんかめちゃくちゃ上を見て喋ってるけど（笑）。

斉藤）本当にいつもありがとうございます！

江口）なんか俺、違う存在になってるんだけど（笑）。

斉藤）僕、何のキメラだと思います？

江口）そうですねぇ…ガチで考えると、牙とか爪とか持っていて欲しいんですよ。

斉藤）尖っている部分を？

江口）でも、繊細なので…『サメ』と、

斉藤）サメと？（笑）。

江口）『サーベルタイガー』。

斉藤）尖り過ぎじゃないですか（笑）。シャープ過ぎませんかね？

江口）古代種みたいな。

斉藤）古代種！ なるほど！ いいなぁ。

江口）格好良いよ。

斉藤）僕、サーベルタイガー大好きなんで。嬉しいなぁ。

江口）そうなの!? 初めて知ったんだけど（笑）。

斉藤）ということで、僕がサメとサーベルタイガーのキメラで、拓也さんが木のキメラです！

江口）ヤバすぎだろ木のキメラ（笑）。

斉藤）（笑）。

西山）『ウサギ』っぽいかも。やっぱりさみしいとしんじゃう（笑）。１人で外出は出来るけど、感想を人に言えないと辛いかもしれないです……なので、ウサギの役で嬉しかったです！ でも、一世役の江口さんには「カバっぽいな！」って言われました。それだけは許してないです（笑）。

阿座上）カバって凄く強いよ（笑）。ライオン追っ払っちゃうし、走るとめっちゃ早いからね！

西山）でも、汗ピンクなんでしょ？

阿座上）そう、汗ピンクなんです。

西山）強くて、走って、汗ピンクそうって思われてるの嫌だよね（笑）。

阿座上）『ハスキー（犬）』 です。本当はオオカミって言いたいんですが、あんな一匹狼でかっこよくはなれないです（笑）。あの見た目でとてもポンコツでビビりだし、知能も凄く高いというわけではなく、可愛らしいところもあるので、オオカミにはなりきれない感じが親近感を持てます。自分も初めて会う人、特に後輩には怖い印象を持たれますが、全然怖くないので（笑）。

――最後にドラマCDの発売を楽しみに待っているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

斉藤）非常に原作を丁寧にドラマCD化出来たと思います。僕自身も濃密な時間を過ごせて楽しかったですし、特典（コミコミスタジオ特典）のフリートークでも話していたのですが、今回は拓也さんと2人での収録だったので、他のキャラクターもかなり魅力的な方々が演じられているので、完成版がどういう風になっているのか自分も楽しみにしております。ご縁が繋がっていけば次の展開があるかもしれないので、原作と合わせて繰り返し楽しく聴いて下さい。よろしくお願いします。

江口）一世の真っ直ぐな気持ちに寄り添いながら収録しておりましたが、所々の感情のニュアンスは、壮馬の演技のアプローチから貰ったところもありました。このドラマCDには、そんな壮馬演じる兎和のかっこいい部分や可愛い部分がたくさん詰め込まれています。やっぱ、壮馬が可愛い（笑）。そういう壮馬が演じる兎和の所々の可愛いニュアンスをめちゃくちゃ堪能して欲しいなと思います。何度も楽しく聴いて下さると幸いです。

西山）流兎には弟や一族への優しさがあり、兎和には一世に対する愛があって、色々な優しさと想いがとても素敵に描かれている作品に出演させていただき本当に良かったです。原作と合わせてたくさん聴いて楽しんでいただけると嬉しいです。

阿座上）作品からフェロモンが香ってくるような魅力的な２人が惹かれ合い、障壁を乗り越えていく様子が面白いです。個性的なキャラクターがたくさん出てきて人間関係も気になりますし、特に流兎と光の関係がこれからどうなっていくのか楽しみです。ぜひとも原作とドラマCDの応援よろしくお願いします。