CAST
ゆか/斉藤壮馬さん
薫/八代 拓さん
大我/興津和幸さん
倫/小林裕介さん
(以下敬称略)
▲ 左から、八代拓さん、斉藤壮馬さん、興津和幸さん、小林裕介さん
▲ 左:八代 拓さん、右:斉藤壮馬さん
――「少年の境界」の収録の様子や感想を教えてください。
ゆか役・斉藤壮馬)
原作を読んだ時に『音声化すると大変そうだぞ…』と感じたほどシリアスで重厚な四角関係が描かれていている作品です。台本チェックをしていた時に、なかなかイメージしきれなかった部分も、今日、みんなと一緒に掛け合いをして『あ、これは論理じゃなくて持ってかれてしまうな』と感じるほど、生ならではの掛け合いができたのが、すごく楽しかったです。だんだん途中から異様なテンションになっちゃって(笑)、みんなと一体感を感じられた素敵な収録でした。
薫役・八代拓)
濃い人間ドラマを描いた作品だったので、4人だけじゃなくキャスト全員で熱のこもった収録ができて本当に楽しかったです。その中でもオメガバースということで、キャラクター達が「ヒート」や「ラット」で熱くなるシーンがありましたが、キャスト陣もスタジオの関係で物理的に暑くなるというがことがありまして(笑)、「熱い、暑い」闘いが繰り広げられ、いろんな意味で思い出に残る収録でした。
大我役・興津和幸)
非常に楽しかったです。4人のキャラクターがそれぞれに影響し合っていて、内容も濃厚で、本当にしっかりしたドラマでした。なので、演じていてとても楽しかったです。
倫役・小林裕介)
僕が演じた倫は後半から登場するので、前半は収録を見ていたんですが、みんながキャラクターに入り込んだお芝居をしていたので、自分の出番になったとき、思わずそれぞれの気持ちを汲んだお芝居をしてしまいそうになりました。倫はみんなの過去を知らずに出会ったはずなのに…。それくらい、濃厚なストーリーで濃密な収録でした。スタッフ側の熱意もすごく感じられて、皆で作り上げたという充実感があるので、完成が今から楽しみです。素敵な作品に仕上がっていると思います!
▲ 左から、八代拓さん、斉藤壮馬さん、興津和幸さん、小林裕介さん
――ご自身が演じたキャラクターの感想をお願いします。
斉藤) ゆかの子供から大人まで、いろんな時期を演じさせて頂きました。小学生の時は能力的にも『俺が一番』といった皆の中心だった子が、年齢を重ねてちょっと気だるげに振舞う『俺かっこいい』みたいな時期になって、その後、自分がΩであることを知る。そこから大人になるまで、彼はどういう風に生きてきたのかという、1人の人間の変遷が描かれていました。そのゆかが、自分がΩだという事実、薫と番になったという事実、そうした取り返すことのできない事実とどう向き合っていくのか、彼の葛藤が自分でも感じ入るものがありました。僕も小2くらいまでは『ドッチーボールやろうぜ』みたいなめっちゃ活発な子供だったのですが、それから無気力症候群になってしまったので。なので、共感できる部分をそのまま格好つけずに表現するのが大事だと思って向き合わせて頂きました。
八代) ゆかはもちろん、4人のそれぞれの気持ちが動いて実際に考えが変わったりと変化が起こるのが「少年の境界」の魅力の一つだと思うんです。その中で、薫は唯一根幹部分が変わらないキャラクターだったんじゃないかと。小さい頃からゆかの後ろを追いかけていて、気持ちを言葉で伝えることもあまり多くはないけど、相手への気持ちや自分の考えをしっかり持っている子だと思います。それは、後半に大我や倫に話すシーンや、ゆかに想いを伝えるシーンとか、随所で薫はいろいろ考えているんだとすごく感じました。その中でも最初からずっとゆかへの気持ちを変わらず大事にし続けていたというのが、オメガバースの世界観だと逆に特殊なのが面白いですよね。その一途な思いがすごく素敵だなと思いました。
興津) コミックス2巻の表紙の大我を見て、怖い顔しているから怖く演じてしまったら怖すぎるという演出を頂きました(笑)。それで、これは怖い顔じゃなくて憂いを帯びた表情だったんだと恥ずかしながら気づきまして、原作をもう一度見直して演じさせて頂きました。大我はいろんなことに葛藤しているキャラクターなので、顔が怖いからといって嫌いにならないで欲しいなって思います。そんな可愛い大我くんです。よろしくお願いします。相手のことを思ってないふりをするけど、何だかんだ気遣っていたり見えないところで表情が変わっていたり、恥ずかしがり屋なんですかね。
小林) 倫を演じるにあたって、ちょっと可哀想な健気な男の子にしようと最初は思っていましたが、おバカなエッセンスも欲しいとディレクションを頂きました。きっとそうやって自分を守らないと精神的にかなり大変な心情のキャラクターなんだと思い、調整しました。倫は、4人の中で一番場を和ませるキャラでもあったんじゃないかな。誰よりも運命に強い憧れを持っていて、そこがまだちょっと青い部分でもあって。年齢よりも大人びているようで、年相応に夢を見ていている面白いキャラクターだと思います。
▲ 左から、八代拓さん、斉藤壮馬さん、興津和幸さん、小林裕介さん
―「オメガバース」という特殊な設定について、感じたことを教えてください。
斉藤) 初めてオメガバース作品に出演したんですが、性別が6種類あるが故の超えることが不可能な壁に対して、どう抗いどう翻弄されていくかが聴きどころだし、その壁を明確な形で描きやすいのがオメガバースだと感じました。Ωであるゆかに寄り添って考えると、生理的な反応に過ぎないとわかっていても気持ちとは裏腹に身体が反応してしまう状態から、壁を乗り越え本当に気持ちが通じ合えるのかどうかのハラハラ感に読者目線でも感情を揺さぶられました。「少年の境界」で言えば終盤の方がやっぱりオメガバースならではの聴きどころを感じましたね。
八代) もし自分がオメガバースの世界にいたら、自分はやっぱりβかなって、(笑)、想像はですよ。αとかΩになると物凄く深刻だろうな。オメガバースでない現実世界でも『この好きという気持ちは何なんだろう』『この人の何が魅力で好きなんだろう』という気持ちは、意外と言語化できない難しい問題じゃないですか。それがオメガバースでは、より好きを考えることがディープになった世界だと思うと、遠いようでちょっと日常に感じられる部分もあるのかな。明確に自分を理解していないとオメガバースの世界で生きるは大変だろうなと心が痛みました。想像が広がる設定ですよね。
興津) まず「オメガバース」の響きがとてもかっこいい! そして男女という性別の思い込みを取っ払って、男女プラスα、β、Ωという性別を改めて分析することによってドラマの本質をもう一度捉え直すこともできるシステムだと思いながらオメガバース作品を演じております。ドラマが深くなりますよね。考えないとわかんないですよね、最初はね。そこがいいところだと思います。あとは男の子が子供産むんですよ。
小林) 「少年の境界」の中で言うとαとΩに焦点を当てて「番(つがい)」というものを考えさせられる内容だったんですが、じゃあβの方がいいのかと言うときっとそこにも苦悩があるんだろうなと思います。例えば好きになった人がαやΩだったら、きっと違う障害があるわけじゃないですか。オメガバースの世界には、女性もいて、女性との恋愛ももちろんできる世界です。でもオメガバース性があるせいで、皆乗り越えなきゃいけないものが多くなっている。それが作品に深みを与えているんでしょうね。そんな環境の中だからこそ、素敵に付き合えている人達は、その幸せを本当にかみしめるべきだなと思いました。
▲ 左:小林裕介さん、右:興津和幸さん
――つい「発情(ヒート)」してしまうテンションのアガるモノを教えてください。またその理由は?
斉藤) 最近「穴」に「棒」とか…色んな形のブロックをハメていくゲームにハマっていまして……ご想像通りテトリスなんですけど(笑)。普段あんまりパズルゲームはやらないんですけど何年か前に友人の家で久しぶりにやって、その時にゲームソフトを買ってたんですけど、最近家で時間が空いた時やってみようと久しぶりにやったら再ハマりしてしまって。攻略サイトまで見てやってます。最近、棒見るとテトリス始まっちゃうみたいな、頭の中で(笑)。中毒ですね。
八代) 僕は身体動かしている時、特に球技ですかね。壮馬さんは「棒」でしたけど、僕は「玉」を見るとテンション上がってしまって(笑)。遊びとわかっていても真剣勝負になっちゃいますね。トランプとかカード系は負けても楽しめるんですけど、球技だけは絶対勝ちたいという気持ちが生まれるくらい好きで、ヒートしてしまいますね。
興津) “ハートが震える”時ですかね(一同笑)。面白い作品に出合えた時に、今回の「少年の境界」もすごく素敵な作品だったので、ずっと“ヒート”してました。ずっと“汗も噴き出して”いました。エアコンのスイッチを入れたくてしょうがなかったです(笑)。冗談です。当たり前なんですけど、面白い作品に出合った時には『これどういう風に演じようかな』と、すごく考えてしまいますね。
小林)最近だと「男」と「男」が汗いっぱい流しながらウーンって……そうです、ラグビーです(笑)。サッカーや野球とかもほとんど知らないので、すごく好きなスポーツというのはないんですが、世界の頂点を決める戦いとなると、どうしても周りの影響もあって観ちゃいますね。そして誰よりも盛り上がっちゃいます。1人で観ている時も、めっちゃ声出してます(笑)。トップの人達の戦いは観ていて無条件に心動かされるので、スポーツ観戦が最近「ヒート」することですね。
▲ 左から、八代拓さん、斉藤壮馬さん、興津和幸さん、小林裕介さん
――ファンの皆様にメッセージをお願いします。
小林) 濃厚な作品に参加させていただきました。細かくリクエスト頂いたおかげで、僕としてもしっかり演じきれたと思います。とは言え原作2冊分をCD1枚に納めるために、原作を少し組み替えたり省略したりしているところもあるので、もしCDを先に聴いたという方は、ぜひ原作もお手に取って頂けましたら、より一層楽しんで頂けると思います。まだまだ原作も続いていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。
興津) めちゃめちゃ面白いCDなので、聴くとヒートしてしまうでしょう。是非聴いて下さい。
八代) キャラクターがちょっとずつ増えるとかじゃなくて、4人の関係性が絡み合って様々に変化していくお話なので、最終的に落ち着くところがあったり、まだまだ続きそうという匂いもあったり、本当に魅力の詰まった作品です。僕らも心動かしながら演じたので、みなさんの心もたくさん動けば嬉しいなと思います。原作もドラマCDも、どちらも楽しんでください。よろしくお願いします。
斉藤) 香盤表ではゆかが一番初めにいるんですけど、これは本当に4人それぞれの物語で、しかも4人が交錯することでしか描くことのできない話です。原作の構成の妙というか、非常によく練られているストーリーで、めちゃくちゃ読み応えのある作品だなと改めて思いました。それを音声化するにあたって我々も全員、全力で臨ませて頂きました。正直自分も早く出来上がりを聴いてみたいと、待ち遠しく思っています。原作の方もサードシーズン連載中とのことで、一旦着地をみたような気もする4人が、今後、どんな表情を見せてくれるのか、一読者としても、一役者としても、期待しています。是非楽しんで聴いて頂けましたら幸いです。「少年の境界」をよろしくお願い致します。
――キャストの皆様、ありがとうございました。ドラマCD「少年の境界」の発売をどうぞお楽しみに♪
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