裏切り者のラブソング

――収録を終えての感想をお願いします。

ジーノ役　増田俊樹）

裏稼業で生きる、男が惚れるような男達がテーマの作品でした。お互いの気持ちに寄り添い合うピュアな二人を描きながら、ドラマ性も凄くあるお話だったので、原作を読んでいても収録していても楽しかったです。収録が終わって、上手く出来た！良かった！と、ほっとした気持ちです。

ダンテ役　佐藤拓也）

ジーノとダンテの人生の情報量がめちゃくちゃ分厚く描かれていて、とてもやり甲斐がありました。細やかな心情描写や演技の上での匙加減など、先生の立ち合いのもと、丁寧に作品が作れて良かったなと思っております。

――演じられたキャラクターの感想をお願いします。

増田）

ジーノはニヒルで斜に構えた綺麗どころのキャラクターなのかな、という印象で原作を読み始めたんですが、コメディ的な要素も含まれた作品だったこともあり、そんな姿は数コマで剥がされ、一気にダンテに絆されていくという…(笑)。真っ直ぐさやピュアさを持っているキャラだったので、ジーノを演じる上で、マフィアっていう大前提を踏襲しすぎず、年相応な男の子の一面も大事にしないと！と思いながら収録に臨みました。

佐藤）

ダンテは一見すると、自由闊達に周りを巻き込みながら、ジーノのペースを乱していく陽気なキャラという印象でしたが、実は二重三重に「素の自分」を覆い隠さなくてはならず、ジーノの方から言ってもらえないと、自分を覆い隠しているものの鍵を開けることが出来ないという辛さを抱えていて…。そんな寂しさみたいな影も見せられたら良いなと思いながら演じましたが、その一方で、「あぁ、本当に好きなんだね。ジーノのこと」と、ダンテの心がどんどん温かくなっているのも感じていて…。ダンテ自身は素の自分を隠すためにお芝居をしていて、僕はそんなダンテを演じているので、ややこしい表現にはなってしまうんですが(笑)、どこまで素のダンテを見せていいのかと考えてしまいました。でも、ジーノ役の増田くんに自然と引き出してもらえたので、とてもありがたかったです。

――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。

増田）

マフィアの世界って、男の子が憧れる「男達の世界」という印象があるので、全員の前でジーノをボスに推挙するシーンは好きですね。ダンテが膝をついて、俺はこいつを支持するって言った瞬間に、ダンテの部下達も直ぐに同じ行動をするスピード感。部下達は「何故ジーノを推したのか」という本当の意味の摺り合わせはしてないと思うんですよ。でも、ダンテが決めるんだったら、何か理由はあるだろうからそれに従うのが筋だと。ジーノ側の構成員も、ファミリーの長老たちも、それに対して慌てふためかない肝の据わった感じで、このシーンは原作を読んでいても「こういうところが筋だよな」と思って好きでした。なので、ダンテの一言で、騒いでいた大勢の男達の心が一瞬でピンっと張って固まる瞬間が、お気に入りです。格好良い男達が、格好良さを貫いているところですよね。

佐藤）

いいシーンですよね。アウトローで品行方正ではないんですけど、彼らはか弱き人達たちや街の治安を守っていて、そんな彼らが仁義を通すシーンなので。僕はそれ以外にも、書き下ろしミニドラマ「俺とあいつと猫とパンツ」がお気に入りです。素のジーノとダンテのやり取りが見られて、凄く可愛いらしいので。猫ちゃんを通して二人のピュアっピュアなところが垣間見えるので、そこも是非楽しんでいただきたいです。

増田）

ジーノがかなりツッコミ役に振り切っていたので、僕は疲弊しましたよ(笑)。

佐藤）

だよね！ いっぱい声出してたもんね。

増田）

ずっと叫んでて、やり過ぎてはいけないけど、このテンポだとしょうがないなって。時間軸としてはストーリーの真ん中あたりのお話ではあるんですけど、別次元のお話という認識で臨んでいたので、凄く疲弊する収録になりました(笑)。

佐藤）

凄く頑張ってくれていたので、僕は非常に楽しかったです。

増田）

ジーノ以外ツッコミがいないから～(笑)。

佐藤）

僕は笑っているだけだったから ～(笑)。

増田）

部下にもツッコミが数名いてほしかった！

佐藤）

みんなチョロいからな。

増田）

ボケるか、正しい事しか言わないから。

佐藤）

ダンテが深刻そうな顔をすると、「（部下たち）そうなんですか？」って。みんな良い人です。

増田）

ジーノも言えないから説明出来ないし。

佐藤）

良い奴しかいない(笑)。

――巻末収録の外岡もったす先生の書き下ろしミニドラマ「俺とあいつと猫とパンツ」では、予期せぬ出来事が起こっていましたが、最近あった「予期せぬ出来事」を教えてください。

増田）

僕は佐藤さんに急におっぱいを触られたんです…！

佐藤）

謝ったじゃんかー！

増田）

本当に触られました！ 出るところに出たら勝てます！(笑)

佐藤）

ちゃんと特典CDに残る形で、わいは謝ったんじゃ！ ごめんなさいしたんじゃ！(笑)

増田）

事件の真相はコミコミスタジオ特典キャストトークCDに収録されておりますので、気になる方は本編と合わせてお楽しみ下さい(笑)。佐藤さんにとっても予期せぬ出来事でしたよね。

佐藤）

まさか相手が始まっていないのに、僕だけ始めてしまうとは。予期せぬ出来事でした(笑)。

増田）

それはたまにある話じゃないですか。でも、おっぱいを触るまでに至るとは(笑)。「（佐藤）何で僕はおっぱいを触りにいってしまったんだろ」って(笑)。

佐藤）

「ごめんねー」って肩を抱くつもりが、僕の右手が何故か増田くんの胸部にいってしまってですね…。

増田）

シンデレラフィットの手のひらがやってきて。

佐藤）

あ～、鍛えられてるな～って。大変申し訳なく思っております。遺憾でございます。

増田）

ここで話せて最高ですよ。インタビューに適した事件が起きました(笑)。

佐藤）

心よりお詫び申し上げます(笑)。

――最後にドラマCDの発売を楽しみに待っているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

増田）

二人の恋愛模様という部分においても、甘すぎる訳ではない、強さをもった男同士だからこそ出てしまう本性といいますか、男らしい男達を演じることが出来て、とても楽しかったです。この素敵な作品を、音声でもご堪能いただければ嬉しいです。続きが気になるので、是非とも、原作と併せてドラマCDの応援もよろしくお願いいたします。

佐藤）

やり甲斐のある作品でした。切なくも愛おしい男達。このドラマCDを聴き終えたら「映画１作品観たかな？」というくらいの密度の濃いドラマに仕上がっていると思います。勢いよく読めて、また冒頭から読み返したくなる読後感のある原作だったので、ドラマCDも同じように一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。彼らの人生に触れてしまったからには、最後まで見届けたいなというのが人情でございます。また是非お会い出来ることを祈って！　その時まで、みなさまの健康をお祈りしております。みなさまどうかお健やかに！　甘い物は控え目に！(笑)