伝説のヤリチンVS鉄壁の尻穴

――収録を終えてのご感想をお願いします。

御神楽役 八代 拓）

ぶっ飛んだタイトルからもわかるように、スピード感のある展開で飽きさせない面白い作品でした。今までこういう作品を演じたことがなかったので、新鮮な気持ちで楽しく読ませていただきました。原作でいう白目を剥いたり可愛い口をしたりするギャグシーンや、逆に、カッコいい迫力ある絵でキメるシーン、本心を語るモノローグといったように、純粋さゆえにコロコロ変わるので、音声化した時にどれだけ表現できるかということに集中して収録しました。収録を終えられてひとまずホッとしています。

瀬那役 増田俊樹）

原作を読んでいて色々な可能性を秘めた作品だと思いました。コメディでありシリアスでありで、魅力的な部分がたくさん散りばめられていて、どっちを主軸にしても走ることができる作品だと思いました。現場に来てみないと方向性が分からないところが多かったので、どんな形で始まるのかという緊張感を持って収録に臨みました。コメディもシリアスも、双方の良いところを上手く音声化できたと思います。

――ご自身が演じられたキャラクターのご感想をお願いします。

八代）御神楽はとにかく格好良くて、これはモテるだろうなって思いました。モテる＋みんなから慕われているので、周りに人が尽きない。お金持ちの家庭に育った生い立ちの中で、そこに残る純朴さが印象的で、人に対してあまり上から目線にならないのが魅力的でした。俺様っぽいキャラでも不思議じゃないんですけど、ここぞという時に、「お前、かっけーな」「尊敬する」といった言葉を素直に言えるフラットな目線が凄く素敵だなと思いました。音声でも、そんな彼の良さを出せたら良いなと思って演じました。

増田）瀬那のキャラクターの骨格を作る際に、男を抱いたことがなく男を好きになったこともない御神楽を相手に、瀬那は新しい経験をさせてあげないといけないなと思いました。可愛いとか色白だとかの見た目のわかりやすい部分はもちろんですが、お母さんや弟を守ろうとして自分の意思を強く伝えてくるところにも、御神楽は興味を持ったので、そういったところをしっかりと表現するようにと心掛けました。そこがかなり難しかったです。原作を読んでいても、成功してきた人間に新鮮な体験をさせるのは大変だろうなと思っていたので。

――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。

八代）壊したサングラス代として瀬那が出したお金のやり取りシーンで、最初の印象だった「面白ぇ男」から「お前、かっけーな」になる瞬間が好きです。御神楽にとっては初体験なんですよね。瀬那の強固な心を持っている部分と御神楽の純粋な心を持っている部分が、やり取りに凄く出ていて、瀬那の関係値が御神楽の中で大きく変化していくシーンなので、凄くお気に入りです。

増田）僕は、瀬那が長い間、御神楽に尾行されていたのに全く気付かないところです（笑）。あんなに見た目が派手で分かりやすい男なのに、弟に言われるまで気付けない。

八代）たしかに、御神楽、尾行めっちゃうまっ！（笑）

増田）家に弟が一人でいるっていう心配はあったとはいえ、あのアパートの階段上ってたら、音で分かるはずなんですけど（笑）。音がしないように一歩、一歩上っていたりして。

八代）なんなら、裸足になってたかもしれないですよね。

増田）一旦脱ぐか！って、階段上がって靴を履き直して。

八代）（笑）。

増田）電車でも気付くよ。

八代）そうですね。御神楽は目立つので（笑）。そう考えると面白いシーンかもしれないですね。

増田）行間の想像は、全部妄想の範囲内ですからね（笑）。

――ハテン高の校内は［御神楽派］［瀬那派］に分断されていましたが、もしハテン高の生徒だったら、どちらの舎弟になりたいですか？ 理由も合わせて教えてください。

八代）どっちも入りたくない～な～。

増田）一緒！

八代）一緒ですか!? （笑）。

増田）どちらかじゃなきゃいけないんですか？

八代）じゃあ、［瀬那派］かな。集会とかあっても行かなくて許されそう。

増田）集会ないでしょ（笑）。

八代）あの感じはありそうじゃないですか。御神楽派は「御神楽派！ 金曜！ 放課後！ あそこで集合な！ 作戦会議すっぞ！」みたいな武闘派っぽいイメージがあるので。

増田）瀬那派は集会も無ければ、ツルむことも無さそう。

八代）ただ、「実は自分、瀬那派なんだよな…」っていう、隠れ瀬那派は多そう。

増田）踏み絵されるよ？ 「お前、怪しいよな？」って。

八代）（笑）。瀬那の写真踏めんのかって!?

増田）「お前、御神楽派じゃねぇって言ってるけどさぁ、ってことは瀬那派じゃねぇの？」って感じで。

八代）俺、その状況になったら、迷わず踏みますよ（笑）。

増田）あ～それ、もう瀬那派じゃないわ（笑）。

八代）だから、どっちでもないんっすよ。

増田）僕だってどっちでもないよ。

八代・増田）（笑）。

増田）でも御神楽派に居ないと、旗印にされて喧嘩売られちゃいそうなので、僕は［御神楽派］かな～。瀬那派は危険だよ？ 多分、助けてくれないよ、瀬那は。

八代）確かに（笑）。御神楽は「俺の○○に手を出したな！」っていうのはありそう。でもな～、疲れそ～。

増田）絶対、疲れるよ（笑）。でも、社会を生きぬくっていう意味なら、多分、御神楽派になるのが正しいと思う。

八代）一緒に瀬那派に居ましょう？

増田）嫌だよ～、疲れるよ～。

八代）（笑）。

――最後にドラマCDの発売を楽しみに待っているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

八代）勢いやスピード感はもちろんノリもよくて、ワクワクとドキドキが入り混じった凄く面白い原作だったので、音声化することでの面白さも加えられたらなと思って臨んだ収録でした。家で台本を読みながら思い描いていたよりも、収録で掛け合いをすることで、御神楽の素敵な部分や、ちょっと弱い部分を、より一層色濃く感じられました。自分の中でも新鮮な気持ちで収録ができて、とても印象深い作品になったので、原作はもちろんですが、音声でもこの作品を楽しんでいただけたら嬉しいなと思っております。

増田）センセーショナルなタイトルですのでBL業界的にも興味を持っている方、既に知っている方もたくさんいると思うんですよ（笑）。原作をもともと知っていた方々のハードルも越えられるよう頑張って演じていますので、楽しんでいただけると嬉しいです。音声から楽しんでいただいても良いですし、ドラマCDが発売するまで待ちきれないという方は、素晴らしい原作がありますので、準備期間として読みながら発売をお待ちいただけたら嬉しいです。