40までにしたい10のこと

――収録を終えてのご感想をお願いします。

十条 雀役 阿部 敦）

会社員経験が無いので想像力を働かせながらの収録でしたが、この年齢、この立場だからこそ、考えることが沢山でてくる部分や、人生の哀愁などをちゃんと表現出来れば良いなと思いながら演じさせていただきました。

田中慶司役 江口拓也）

大ボリュームの会話劇でしたが、スムーズに楽しく収録させていただきました。作品の持つピュアな部分に色々と心を動かされながら、作品に寄り添って演じたつもりです。

――ご自身が演じられたキャラクターのご感想をお願いします。

阿部）誰しもが少しは、自分自身気付かないうちに年齢で諦めてしまったものとか、こういう風に居なくちゃいけないという無意識の自縄自縛というものを持っているかと思います。雀は、慶司が自分のフィールドに入ってくることで徐々に触発されて、自分を縛っていたものを少しずつほどくことが出来たので、本当に良かったなと思います。仕事が凄く出来るなら、もっと私生活にも目を向ければ良いのにと思いましたが、忙しいからこそ難しいのかもしれないですね。凄く楽しい、可愛いおじさんでした(笑)。

江口）慶司は29歳で、まだまだ「こうしていくぞ！」みたいな野心がギラついている世代だと思いますが、どこか達観して物事を見てる瞬間がある人で。でも、その一方で、気持ちが爆発して自暴自棄になってしまうところもあって。きっと、今まで好きになった人がノンケばかりという苦い経験や、甘酸っぱい青春を過ごしてきたという、いろんな経験が影響しているんだろうなと思いました。そんな慶司が雀さんのピュアな部分に心を洗われて、自分の感情を表に出せるようになって良かったです。雀さんのことをどこか一歩距離があると感じたのは、自分と似たところがあるからこそ分かる感覚だと思うので、そんな繊細な気持ちの揺れ動きを演じることが出来て凄く楽しかったです。

――お気に入りのシーンや聴き所を教えてください。

阿部）原宿で色々買い食いをする所が好きでした。雀だけじゃやらないことだし。僕もちょっと羨ましいなって思いました(笑)。

江口）たしかに1人では中々やらないですよね(笑)。

阿部）そうだよね～(笑)。今度行ったとき「クレープでも買って食べてみようかな！」って思わせてくれて、一緒に行動してくれる人がいるってことは凄く幸せなことだし、外に連れ出してくれる人とか、自分じゃ出来ない、選ばない刺激を与えてくれる存在って大事だと思います。雀は気付いていなかったかもしれないけど、そういうところから絆されてガードが緩んだのかなと思っています。

江口）つらい日々もあと1日頑張れば…というところや、普段何気ない風景が急に色づいてきて今までと視点が変わっていくところや、リストにある［10のこと］が残り5、6個になったとき「もっと書いておけばよかった」「もっと書いてくれたらよかったのに」って思うところなどの、好きな人が出来てお互いが変わっていく描写や、雀さんや慶司の心が揺れ動くところが好きでした。

――タイトル『40までにしたい10のこと』に倣って、『2025年の誕生日までにしたいこと』を教えてください。

阿部）海外でも楽しくお仕事をさせていただく機会が増えているので、色々な国に行って、その国のファンの方々と交流出来たら良いなと思っています。出来れば、南の島に行けたら嬉しいです(笑)。

江口）2024年は車の買い替えの時期なので、次の車では積極的に運転したいです(笑)。一時期、キャンプが趣味になったんですけど、忙しいとか理由をつけて全然運転していなかったので、運転してキャンプに行ったり、車に関係する事をやりたいなぁ～と思います。

――最後にドラマCDの発売を楽しみに待っているファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

阿部）みなさん、年齢に限らず色々なものに縛られて生きていると思いますが、「もっと自由でいいんだよ」っていうことに気付かせてくれたり、「誰かと一緒に生きるって、やっぱり良いよね！」と思わせてくれたりする素敵な作品なので、演じさせていただき非常に光栄でした。発売を楽しみにしていただけると嬉しいです。

江口）収録現場に先生もお越しいただき、所々のニュアンスなどもディレクションしていただき、とても丁寧に作った作品です。原作を読んでいる方にも満足いくドラマCDになっていて欲しいという想いを込めて大切に演じさせていただきましたので、楽しく聴いていただけたら嬉しいです。